月光 ~すべてのひとかけら~

「陵紹介してくれよ、彼女ちゃんのこと」


ソファに座ってムスっとしてる設楽さんに〝嫌だ〟と訴える。


「こっちこっち」


長髪の男に手首を掴まれてリビングに引き込まれる。


「いやっ!」


それを振り払って和室に駆け込む。


男に触られた瞬間、ゾワッと悪寒が走った。


恐怖心も同じように私を支配し、恐怖の渦に私を突き落とした。


「アイツに触んな。悠瞳は男が怖いんだよ」


設楽さんが説明する声が微かに聞こえた。


心臓がバクバク音をたてている。


怖かった。


怖いという感情が沸く前に、身体が拒絶反応を示していた。