「…結構です」


椿さんに奢ってもらうなんて絶対に嫌だ。


そんなの屈辱でしかない。


「あら。3日も食事抜き生活させてしまったお詫びにと思ったのに」


……っ。


今さらほじくり返さないで……。


忘れたいのに…。


「それじゃ、本題に入りましょうか」


真っ赤な唇が生き物のように動く。


「……はい」


拒絶反応が出るが、それを飲み込んで私は頷いた。


その瞬間、椿さんはキュッと口角を上げた。


その様子は私には気持ち悪さを感じさせるものでしかなかった。