「悠瞳…!」


遠くから走ってくる足音がし、涙を拭ってから振り向く。


走ってきたのは…叶翔さんじゃなかった……。


「設楽さん…」


設楽さんが息を切らして私のもとへ駆け寄ってきた。


「何で……」


なんでこの場所に設楽さんが…?


「俺、言ったよな。夏川とは関わるなって。だからこういうことになるんだよ」


……どういうこと。


「設楽さんは…何があったのか、知ってるの……?」


なんで…?


「頼むから、夏川と関わるなよ」


知ってるんだね…。


なんで知ってるの…?