月光 ~すべてのひとかけら~

「一方的に決めんなよ」


そう言って叶翔さんは私の手を引っ張った。


そして…。


重なる唇。


ザバンっという波の音が私たちを邪魔する。


薄暗い空の下、私たちは初めてのキスをした。


冷たく痛い風が私たちを吹きつける。


「お前、俺のこと好きだろ」


この空気には似合わない意地悪な笑み。


「……なんで…なんでキスしたの……っ?」


叶翔さんは莉桜の彼氏だよ……。


だけど…期待してもいいの……?


「理由、言う必要ある?」