そして結局莉桜を傷つけた…っ。


私なんかが泣く権利なんてないのに…っ。


「ごめんなさい…叶翔さん……私…」


叶翔さんから離れて、無理矢理涙を拭う。


「莉桜から聞いた」


抑揚のない声。


叶翔さんは今何を思ってる……?


叶翔さんが分からないよ……。


「……私、もう叶翔さんと二人で会うのやめるね!もともとただの友達だしっ。莉桜も何誤解してんだかねっ!だから、私もう行くね……っ」


一息に言い切って立ち上がる。


「待てよ」


叶翔さんの言葉は無視して走り去りたかった。


けど……っ。


できない…っ。


私、やっぱり好きだよ…っ。


好きだよ叶翔さん……っ。