「どこに照れる要素があった」


と言いつつ視線が泳いでる叶翔さん。


……本当に莉桜のことが好きなんだろうな…。


チクチクと胸が痛む。


「キスして、叶翔」


酔いが回った莉桜はいつにもまして暴走気味だ。

 
「するわけねーだろ」


「ほんまケチやな」


莉桜が不貞腐れた顔で栗きんとんにお箸を伸ばす。


可愛いな…莉桜って。


私が可愛ければ、先生は私を本当の意味で愛してくれたのかな…。


「何でこいつらの前でキスしないとダメなんだよ」


「そっちの方がエロない?」


「は?」