「してねーよ」


「叶翔が勝手にうちに突っ掛かってきただけやもん!」


莉桜は、すでにチューハイ2本飲んでいて、いつも以上にテンションが高い。


「悠瞳も飲んでみ!おいしいから」


今度は自分の飲みかけの缶を差し出す莉桜さん。


「だから犯罪に加担させるなっつってんだよ。お前うるせぇから、おせち食っとけ」


莉桜のお皿におせちを取り分ける叶翔さん。


いいなぁ…莉桜は……。


叶翔さんみたいな彼氏がいて…。


私が望んでたのは、こういうカップルになることだった。


先生と生徒なんて関係なく、ただのカップルとして…こういう関係になりたかった……。


「うち黒豆キライやってゆうたやん!」


「食え」


冷たく言い放つ叶翔さんだけど、その表情は私に対しての時とは全然違って、愛情が滲みでていた。