「莉桜、一回黙れ」


叶翔さんが冷たい視線を莉桜さんに送った。


「チッ」


叶翔さんの彼女のはずの莉桜さんが舌打ちをした。


もし、私が先生に舌打ちでもしたら……。


その仕打ちを想像したら、震えが止まらなくなる。


考えるのはやめなきゃ…。


「名前なんなん?アンタ」


きれいな瞳で見られ、少し緊張する。


「古城悠瞳です」 


「悠瞳ね、りょーかい。うちは榎本莉桜。莉桜でえぇよ。よろしく」


呼び捨てで呼んでいいんだ。


〝有紗、おは─〟


〝名前呼ばないでくれる?穢れる〟


有紗にそんなことも言われたな……。