「叶翔が珍しく莉桜以外の女のこと話すから、気になってたんだ」


栗林さんが言った。


私のこと、話してたんだ。


少し嬉しかった。


上辺だけ優しくされてるだけかもしれないって気持ちもあったから…。


やっぱり私…先生のこと引きずってるなぁ……。


もう忘れなきゃいけないのに…。


あんな出来事、覚えてたって仕方ないのに……。


「お前ら。こいつに安易に近寄るなよ」


叶翔さんが私の近くに来て、皆に釘を刺した。


「なんで?」


「永蔵のせいで男恐怖症。覚えとけ」


叶翔さん…。