「お前さ、何か抱えてんだろ。話せよ」


え……?


「永蔵のこと以外にも、何かあんじゃねーの?」


切れ長の冷たい目は、私のすべてを見透かしているようでドキリとした。


「何もない…です」


友達も家族もいないなんて言いたくない……。


生きてる意味が見出だせないなんて言えない。


「そんなわけねぇだろ。言え」


何で分かるんだろう。


私が何か抱えてるって。


ホント…不思議な人。


「私、そんなに分かりやすいですか…?」


「あぁ」


最近、喜怒哀楽が表情に表れないようになったと感じてたけど、そんなことなかったのかな…?