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「海…?」


目の前に広がる青々とした海と綺麗な白色の砂浜は、12月という季節からは浮いている。


まるでここだけ夏に逆戻りしたみたい…。


だけど、時々見える丸裸になった木々が今は冬なんだと思い出させてくれる。


神秘的な場所だ…。


「そ。俺が小学生の頃に親に連れてきてもらった場所」


叶翔さんは、白い砂浜の上に胡座をかいて座る。


私も、そのとなりに座る。


日の光は弱くて、夏のように海面がキラキラ乱射することはなくて、それが逆に今の私にはちょうどよかった。


眩しいのは嫌いだ……。


自分が惨めになるから。


先生から逃げてきたあの夜、夜空から光輝いていた月光だって……。