私は、焼きそばパンを1つと野菜ジュースを買うことにした。


「それ昼飯?」


いつの間にか背後に立ってた叶翔さんに声をかけられて、ビクッとしてしまう。


「うん…」


「貸せ」


強引に私からパンとジュースを奪い、レジに持っていってくれる叶翔さん。


「そんな、悪いです……っ!自分で払います…!」


慌てて後を追うけど、構わず叶翔さんはお金を払ってくれた。


「ありがとうございます…」


ただ一度助けただけの私に奢ってくれるなんて意外かもしれない。


案外、冷たい人じゃないのかもしれない。


「この後暇なんだろ。ついてこい」


そう言いながら、レジ袋に入ったパンとジュースをわたしてくれた。


そして、店内を後にする。


コンビニを出るときのドアを、私が外に出るまで押さえててくれたことに、私はちゃんと気づいた。


ほらね。


やっぱり優しい。