「あ……ありがとうございます…助けてくれて…」


2度目だ。


叶翔さんに助けられたのは。


「命ムダにすんなよ」


叶翔さんは、鋭く冷たい目で私を睨む。


「違うの…気づかなくて……赤信号に…」


決して死のうとしたわけではない。


それができたらどんなに楽か……。


「気をつけろ。お前は普通の人間なんだから、事故に遭って悲しむヤツだっているだろ」


……いないよ、そんなの。


私、ひとりぼっちなんだ。


「……まぁいいけど。じゃあな」


立ち去ろうとする彼…。


「待って…!」


咄嗟にそう言ってしまった。