─プップッーーー!


うるさいクラクションが鳴り響き、私はハッと我に返る。


「おい!!何やってんだ!」


そんな声がし、後ろに体を引っ張られたかと思うと、目の前を白色のワゴン車が猛スピードで通った。


前を見たら、赤信号だった。


バクバクバクバク…


死ぬかと思った…。


こうやって、焦って心臓がバクバクしてるってことは、やっぱり死ぬ勇気なんてなくて……。


ただ、生きる意味が欲しいだけなんだって実感させられた。


「お前、死ぬ気?」


どこかで聞いたことがある声に振り向くと、叶翔さんだった。