キッチンの床には、ガラスの破片。


何でニコニコしてるんだろう。


ガラスの破片が飛び散ってるのに。


「わざと割っただけだからご安心を。こうでもしねーとあんた、入ってこないだろうと思って」


わざと…?


私を誘きだすために??


じゃあやっぱりこの人…アイツと同類……。


「そこ、座れば?」


ソファを指さす男の言うことには従わず、部屋の隅に逃げる。


「ったく。大丈夫だって。だったらこれ持っとけよ。俺が何かしようとしたら、刺せばいい」


と、カッターナイフを差し出された。


ジッと動かずに固まってる私を見て、男は床にカッターナイフを置き、自分がソファに座った。