「さっさと行くぞ」


「え……?」


どこに…?


というか…何が起こったの…?


この人は…私を助けてくれた……?


「こんなところに居たいのかよ」


刺すような冷たい視線に耐えられなくてビクビクしてしまう。


設楽さんがどれだけ暖かい雰囲気だったかがよくわかった。


「……何?そんな怯えんなよ」


眉間に寄るシワが、彼の機嫌を顕著に表している。


「ごめんなさい…」


「別に。さっさと行くぞ。立て」


まだ震える足。


「ほら」


そんな私を見て、ぶっきらぼうに手を差し出してくれた。