「ううん、全部話す。親友に隠し事、したくないから。私ね……本当は妖精なの。雨を降らす妖精。なんて、信じれないよね……」
「……信じるよ。深雨のこと、なんでも信じる」
「ありがとう、明……」
深雨は涙を流しながらも、口角を上げた。
「私がこの村に来たのは、雨を降らすため。その男の人が言った通り、私が泣くと雨が降る。だから、雨を降らす妖精は泣き虫ばかりで、私もそのうちの一人。でもね……この村に来て、初めて泣きたくないって思ったの。それは、明のおかげ。だからお願い……ずっと、私のそばにいて……」
深雨の目から、溢れるように涙が流れ出ていた。
そして、明の目にも涙が浮かんでいた。



