妖精の涙




今まで深雨をかばっていた明なら、迷わず深雨の前に出てくるだろうと思ったのだ。





そして実際、明は深雨の前に出て、腹部を刺された。





「きゃあっ!」





倒れる明、悲鳴をあげる深雨、そして微笑む男。





数秒後、深雨は何が起こったのか理解した。




深雨の顔は絶望一色だった。




そして、目に涙を浮かべた。




それと同時に、ポツポツと雨が降り始めた。





「やっぱりそうだったんだ! お前が泣けば、雨が降る! もっとこの村に雨を降らせろ!」





深雨はそれを聞いて、涙を堪えようとした。




でも、どれだけ頑張っても涙は止まらない。