「深雨! 昨日ね、四葉のクローバーを見つけたの。それでね、お母さんに教えて貰って押し花の栞を作ったの。これ、お揃いなの。だから、なくさないでね?」
明は栞を二つ、カバンから取り出す。
そして、一つを深雨に渡した。
「ありがとう。可愛い! 大事にするね!」
刻一刻と、下校時間が近付いてくる。
この先何が起こるかまったく知らない二人は、幸せそうに笑っていた。
そして、地獄の時間がやってきた。
校門のところには、例の男が短刀を持って待ち伏せしている。
数分後、明たちが仲良く校庭に出てきた。
男は真っ先に明を狙わず、深雨に短刀を向けて走った。



