「うん……でも……どうしたらいいんだろう……」
桜はゆっくりと喉に水を通した。
「簡単な話よ。深雨を信じてあげればいいの」
「信じる……?」
「そうねえ……何があっても、深雨の味方でいる。自分に味方がいるって思うだけで、自分を失わないでいられるの」
桜の言葉は、明にとって少し難しかった。
でも、一番大切なことが何かはわかった。
「お母さん! 私、ちょっと行ってくる!」
明は水を一気に飲み干し、家を飛び出した。
明は走って深雨がいそうな場所を探し回った。
深雨は学校の中庭にいた。
深雨の目元は腫れている。



