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ただ、愛夢に幸せでいて欲しいだけだった。



ただ、愛夢に笑っていて欲しいだけだった。



ただ、それだけだったんだ。



『もう、傷つきたくないよ…っ』



泣きながら訴えた愛夢。



そんな愛夢を笑顔にしたくて。



でも、結局。



僕が最後に見たのは、愛夢の怯えた顔だった。



ああ、今、この瞬間。



僕は愛夢を傷つける両親や学校の人達と同じになってしまったんだ。



それなら、愛夢が笑顔になれるように。



僕もいなくなるしかないんだ。




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