「でも、ここ通らないと帰れないもんね」





私は気合を入れ、一歩踏み出そうとした。





「……え?」





下を見ると、人がうつ伏せに倒れている。





「大丈夫ですか!?」





声をかけても返事はない。




もしかして、死んで……




ううん、そんなわけ……!





急いで駆け寄りたいけど、走ってしまうと転がり落ちる可能性が高い。




だから、できるだけ落ち着いて、その人のところまで降りた。





そこで、私は初めて気付いた。





「深津君!? ていうか、血……!?」