「着い……」 「あ、姫ー!」 宇佐美さんは皇さんの言葉を遮り、ベンチに座って本を読んでいる女性に駆け寄った。 彼女が、美城さん…… 美城さんがいる場所だけが、別世界のような感覚になる。 「やっぱり女性でも見惚れますか?」 そう言う皇さんは、優しく微笑んでいる。 急に敬語使われたのと、その笑顔に心を奪われる。 思わず好きになってしまいそう。 そんなことを思っていたら、宇佐美さんが美城さんを連れてきた。 美城さんは私を見ると微笑んだ。 「はじめまして、美城です」