「皇さん、この辺で男子大学生が階段から落ちて意識不明になってるって事件、もちろん知ってますよね?」





この流れはまずい。





この子、ここで私が犯人扱いされてることを言う気だ。





「あの!」





私は慌てて二人の会話を遮った。





二人は驚いたように私を見る。





「あの……場所、変えてくれませんか?」





いつの間にかさっき以上の人が集まっていて。




その中には多分、このイケメンさんを見たいがために来た人もいると思う。





その人たちは、私のことなんて知らないわけで。




今ここで言ってしまうと、そんな人たちに、私が犯人扱いされてることを知られてしまうわけで。