「こら、バカりり。勝手に先に行くなよ」





すると、どこから現れたのかわからないけど、イケメンさんが彼女の頭を小突いた。




深津君といい勝負……もしかしたら、それ以上かもしれない。





イケメンさんは女子の視線を、一瞬にして奪った。





「いったー。なにするんですか、皇さん」





彼女は頭を抑えながら、イケメン……皇さん?を睨んだ。





「なにするんですか、じゃない。りりこそなにしてるんだ」




「聞いてくださいよ、皇さん。大学でも子供みたいないじめがあるみたいなんですよー」





……かなり語弊がある。





私はいじめられてるわけじゃない。




いや、傍から見ればそうにしか見えないだろうけど。