「ちょ、ちょっとケイっ……!!」

「呼び捨て禁止」

「……ケイくん!! なんで急にそんな話になってるわけ!?
て言うかさっき『どうせ今日以外は会わないだろ?』とか『名前を教えるだけ無駄』とか言ってたじゃん!!」


「さっきはさっき、今は今」



……はぁ!?

全っ然、意味わかんないんですけど!!



「さっきは、もう会わないだろうなって思ったけど。 でもお前、バスケに興味ありそうな感じだから。 だから俺が特別に教えてやる」



……なんで、そんな上から目線なわけ!?

確かに私は、バスケのことなんて全然知らないけどっ……!!

でもそんな風に言われたら、絶対教わりたくない!! って思う。



「……太一くんに教えてもらうからいいもん」

「アイツはダメ」

「……なんでよ?」



こんな最悪な奴に教わるより、太一くんに教えてもらいたい。

そう思ったけれど……、



「バスケを教えるフリして、胸揉んだりケツ触ったりするぞ?」

「へっ!?」

「アイツに触られたいのなら止めないけど、どうする?」



……胸揉まれたりお尻触られたり、って、太一くんそんなことするの!?

うーん……でも確かに、太一くんっていつも女の子にちょっかい出してるから、じゅうぶんあり得る……。



「だから俺が教えてやる。 明日の10時な?」

「あ、うん……」



……って、返事しちゃったけど!!

別にコイツに教わる必要なんてないんじゃない……!?

だいたい私、運動音痴だし!!


教えてもらえるからってノコノコ行ったら、下手なとこ見られて笑われるだけじゃん……!!