びびは深い眠りについた。

バンッバンッ。

今日は両親の演説の日だった。
晴れているのに、私の視界は闇だ。

私の前にはいつも優しく笑顔を向けてくれる姿ではなく、お父様もお母様も胸を撃たれ、全身が赤く染まっていた。

お父様は急所だったらしく即死だった。
が、お母様は少し意識があり、私の手を握りながら最後の力を振り絞って言った。

「ごめんなさい。あなただけを残して。」

「そんな...。お医者様に見てもらえば助かります!お願いそんなこと言わないで...。」

「無理よ。私にはわかるの自分の命の終わりくらい。
だからこそあなたに言わなくてはならない事があるの。もし、私たちを殺した人が何処の誰であろうと決して憎まないで...。私のために怒りで取り込まれないで...。この国を平和にできるのはあなただけなの。」

私の手を握ったお母様は少し力がこもった。

「びび、愛してる。」

力がこもっていた手はスルッと抜け、お母様は目を閉じた。

「いやぁぁぁぁぁぁっ!」

それがお母様の最後の言葉。いえ、最後に交わした約束。