その頃のある城では...。

「幸。あの子が『言いすぎた』と言っていたぞ。今度会ったときお前も謝っておきなさい。」

「...っ。わかりました。」

「何があったんですか?」


「今日、幸と謙信で安土に偵察に行ったんだ。そしたら俺の前に天女が舞い降りてきたんだ。」

「信玄様。天女は言いすぎです。確かに可愛かったけど。」

「女嫌いの幸が可愛いという女性がいるんだな。」

「なんだよ渚月。お前には探してる女がいるんだろ?」

「ああ、信玄様の言葉で言うと、その方も天女のようです。」

渚月は部屋を出て、暗い闇のような空を照らす月を見上げた。

びび様。もしかしたらあなたは現代にいるのですか?
そうだとしても俺はこの戦国時代であなたがいることを信じ探し続けます。
今は、尊敬する方に仕え一番の刀使いとなりました。
どうか俺の噂を耳にし、あなたと出会えることを願います。