誰が呼んだのかも分からない
黒塗りの高級車が数分もしないうちにやってきて、半ば強引に蘭君と一緒に乗せられた。



「なに見てんだよ」


「...いえ、なにも」



一般人にはとても理解できない。


高級車に乗るなんて、これが人生で初めてで。


座り心地のいいシートに、思わず蘭君を見て苦笑いしてしまった。



でもそんなことが言いたいんじゃない。


本当は、怪我大丈夫...?って、聞きたいのに。


不機嫌な蘭君の態度を見て、お口にチャックをしてしまう。





「それじゃあ動かしますね」


言いながら、ハンドルを器用に操る運転手さん。



動き出した車、もう後戻りはできない。




結局、蘭君の付き添い?で病院に行くことに。



光花は「明日なにがあったのか報告よろしく」と心底楽しそうに、1人で帰っていった。



...光花のバカ...裏切り者。