「は...はい?」


無視するわけにもいかず、恐る恐る反応すると。


「蘭を助けてくれてありがとう」


「...助け...?」



助けられたのは、むしろ私の方。



助けるつもりが、逆に蘭君に怪我を負わせてしまった...。




「これじゃあ今日の集会は中止だな。
悪いけど、キミ、一緒に病院についてきてくれない?」


「えっ!!?わっ、私がですか...!?」


「うん、蘭とどんな関係かは知らないけど。
念の為君も病院で診てもらった方がいい」


「わっ、私はどこも怪我してませんよ!?
蘭君が庇ってくれたし...」


「うん、でも一応ね。
俺らの総長を救ってくれたお礼もしたいし」


「...っ?!」




"総長"


確かに彼は蘭君のことをそう呼んだ。



すごい人だとは思ってたけど...まさか蘭君が暴走族の総長だったなんて...。



なんとなく察してはいたけど、いざ面と向かって言われると、なんだか怖くなってきた。



ーーー彼に関わってしまったことが。