「ーーーお待たせしました」
スっとした長い脚が、部屋への境界線を突き破る。
一瞬で目を奪われた。
ここにいる誰よりも綺麗な顔をした男が、グラスをテーブルに置く。
そんな姿でさえ絵になるくらい、とにかく綺麗だった。
私だけじゃない。
光花も、男2人も、みんな彼に目を奪われていたんだ...。
「他にご注文は?」
緊張感を煽る低い声。
ハッと我に返ったのは私だけ。
光花達まだ夢から覚めていないみたい。
口が開きっぱなしじゃないか。
「いえ、もう大丈夫ですっ」
手を横に振りながら慌てて言う。
裏返った私の声に、くすりと笑う店員さん。
静かにドキリと脈打つ心臓が、無駄に熱い。


