1人で眠ると必ず見ていた父親の夢を、まったくと言っていいほど見なくなった。
それは、俺が今充分に愛に満たされている証拠だ。
すべてが変わった、いや。
生きている価値も希望も見い出せなかった、ただ暗闇を一直線に歩いていた俺の世界を、すべてを。
変えてくれた1人の女には感謝してる。
だけど
時々不安になる。
彩羽がいる人生といない人生
俺は彩羽に出会わなかったら、一体何で自分を保てばよかったんだ。
っと、前は絶対に考えることすら放棄していた弱音を吐いてしまうのは、自分が弱い存在だと素直に認めてしまったからだ。
弱いことを認めた瞬間、俺の人生には彩羽がいなきゃ
なんの意味もないことを知った。
でも彩羽本人には恥ずかしくて言えない。
言うつもりもない。
言ったらあいつ...調子乗りそうだからな。