【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。







じゃれ合い初めて数分後
近くで感じる蘭君の体温にやられて、ウトウトしてきた。


目を開けたり開いたりを繰り返してる私の瞼にそっと触れる蘭君の指。



「...寝ろ」

「...んっ、蘭くんも...寝てね...」

「ああ、お前が居るから安心して寝れそうだ」

「そ...か」


それはよかった。と、伝えたかったのに。


完全に閉じてしまった目と口のせいで、伝えることが出来なかった。


ふわふわと甘い甘い夢の中へ誘われて。


それでも蘭君が隣にいないと嫌だから
私は夢と現実の狭間で生きていたいの。



ワガママかな?


ねえワガママってダメなこと?




「...そろそろ終わらせないとな、俺の手で。
もう過去に囚われるのはうんざりだ...」



誓うように、寝ている私の耳元で蘭君がそう呟いていたことを
私は知らない...。