バカ言ってんじゃねーよ。と、私のおでこを突く蘭君は、私から体を離して立ち上がり、寝室のドアを開いた。
疲れた顔でベッドに倒れ込む蘭君。
床に散らばってる服を急いで着て、開っ放しのドアの前で蘭君を見ていたら
ちょいちょいと手招きされて、私もベッドに寝転がった。
「今日泊まってけよ」
耳元をくすぐる、その低い声が好き。
「当たり前、こんな状態の蘭君を1人にしておけないもん」
「...いい女だな、お前」
「そりゃあ、蘭君の恋人ですから」
冗談めかしながら口角を上げると、私の頭を撫でてくる蘭君。
「好き、だ」
「...っ、なに、急に...」
「いや...言っとかねーとお前を縛れないような気がして」
「言葉にしなくても、伝わってるよ。蘭君の気持ち。
でも私的にはもっと愛情表現してくれてもいいと思う」
「さて...寝るか」
「ちょっと聞いてるの、蘭君」
普段恥ずかしいこといっぱいしてるくせに
急に照れ始める蘭君は、やっぱり変な男だ。
照れ顔をどうしても見られたくないのか
私の頭を思いっきり掴んで顔を枕に押し付けた。
「〜〜〜っ!?」
なんて雑な扱いなんだろう。
彼女なのに、彼女なのに。


