我慢の限界と共に、風船の割れる音に似た音が耳を刺激した。
蘭君の頬が赤く腫れる。
私は無意識のうちに彼の頬を叩いていたんだ。
「...今の蘭君なんか嫌い...」
「...」
「鈴君がなによ...っ。
知らないよ、そんな男。今もう忘れた。」
「...」
「私が鈴君に奪われるってなに...?
今、奪われてるのは蘭君の方じゃんか」
「...っ!?」
「私だけを見てよ...っ!!
ねえなんで私のこと見てくれないの!?
裏切った人の言葉に惑わされて馬鹿みたい!!」
「...いろは」
「私は...あの人達みたいに蘭君を傷つけたりなんかしないもん...。
蘭君から離れていかない。
蘭君だけ見てる...だから」
だから。
私に依存して
私がいないと息もできないくらいに、溺れてよ。
溺れたまま、2人で沈もうよ。
蘭君となら苦しくないよ?私。


