【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。





「もうすぐ夏休み終わっちゃうねー。
今年の夏は合コン三昧だったのに、大した男もいなくて結局彼氏できなかったつーの」




海岸から少し離れたところにあるバス停で、帰りのバスを待ちながら光花と色んな話をしていた。


まあ、ほとんど光花の合コン失敗の話なんだけど...。



男のタイプにうるさい光花は、ちょっとやそっとのイケメンじゃ、靡かないみたい。



これまでの出会いを光花本人の手で潰してきたんだから、ほんっと残念な美人だと思う。





「あっ、彩羽バス来たわよ!!」





まもなくやってきたバスにすぐさま乗り込む光花は、最終日の海になんの未練もないらしく景色を見ようとしない。



バイト...なんだかんだで結構楽しかったから...
私はちょっと、この海と、そしてこの夏とサヨナラするの寂しいな〜...。




だからといって、いつまでもここに突っ立ってるわけにもいかないから
1回だけ後ろを振り返って、私もバスに乗ろうとしたら。




ーーーピロリン!

と鳴る、携帯。




その音に気を取られた一瞬の隙にバスのドアが閉まって、私を置いて走り出す。




バスの1番後ろの席から、光花が私を見つめてるのを見つめ...ついに見えなくなったバスを走って追いかける元気もない。



...夏の海に1人、取り残された。