困った
実に困った。
男の扱いに慣れてない私は
端っこのテーブル席の方でナンパされてる光花みたいに、軽くあしらえない。
「ねえ、絶対に楽しませてあげるからさ...」
私の腕を引っ張って、耳元で囁いてくる男にゾワゾワと鳥肌が立つ。
気持ち悪い...
テーブルに置いてある、レモン味のかき氷が暑さで溶けて、黄色に染まっているだけのただの砂糖水を男に浴びせようとした。
ーーーがっ。
「誰の女口説いてんのか、分かってんのかお前」
突然後ろから聞こえてきた声と同時に、ギュッと誰かに抱き寄せられた。
視界には程よく筋肉がついてる胸板、少し海の匂いがした。
見なくても分かる...この体温、この声。
こんな時助けてくれる人は1人しかいない。


