ときめきと恥ずかしさを重ねた、キュンって音が。胸の奥の奥から全身に響いて。
ズルい...でも。
多分、もう抜け出せない。
依存どころじゃすまされない。
この甘さをずっと求めていたから。
「彩羽、来い」
「ーーーっ、あっ」
蘭君が私の腕を勢いよく引っ張ったせいで
飲もうとしていたお茶が入ってるコップを、床に落としてしまった。
ジワリジワリと床がお茶で染まっていく。
蘭君はそれを一瞬だけ見て、すぐに私の方に黒目を戻した。
「...っ、拭かなきゃだから、離して...」
「後ででいいだろ」
「ダメだよシミになっちゃ...うわっ!!」
ギリギリまでスカートを捲って、ツゥー...と私の太ももを人差し指でなぞる蘭君は、もうなにがしたいのかよく分かんない。
「色気のねえ声出してんじゃねえよ」
「ちょっ!!やめてよ!!
やだよ私、こんな所で!」
いつお母さんが帰ってくるか分からないのに。
絶対にやだー!!とジタバタ暴れる私を押さえつける蘭君。
緊張で心臓がバクバクと、いつもよりうるさいし鼓動が早い。
でも、そんなの構いやしないと
蘭君は私の太ももに手を滑らせてーーー...。


