「蘭君...あの」


「あ?」


「...あの、その」


「...言っとくが、"友達のまま"はなしだ」


「ーーーっ!?」


「お互いあんな恥ずかしいことぶちまけたんだ。
お付き合いしようぜ、彩羽ちゃん」



そう言って、余裕たっぷりな蘭君は
私の気持ちをなにもかも見透かしていた。



「あーあ、もっとちゃんとした告白が聞きたかったなー」


「...っ、お前な...俺はそんなキャラじゃねーんだよ。」


「...私ばっか蘭君のこと好きみたいでズルい」


「あのな...」



弱った、と。顔を真っ赤に染める蘭君は、夏の太陽がよく似合っていた。



歩きながら蘭君のTシャツの後ろを引っ張る。


すると


ーーーギュッて。

Tシャツを掴んでいた手が、いつの間にか蘭君の手に移動していた。


先に手を握ったのはもちろん蘭君から。

嬉しすぎて死ぬかと思った。




「お前の方が好きとか...勝手に決めてんじゃねーよ...」


「...っ」


「こんな純粋な気持ち、女に抱いたことねーんだよ。
照れてんだ、察しろ」