「ちゃんとご飯を食べて栄養をつけて。
体に異常がないか、もう一度検査して大丈夫そうならすぐに退院できるからね」
「そんなに早く...」
本当に大したことないんだね、わたし。強い...っ!
「あっ、先生」
「ん?」
「あの子...、あの男の子は無事なんですか?」
私が助けに来る前まで、炎の中に長い事いたんだ。
もしかして大変なことになってたりして...。
「ああ、あの子なら大丈夫だよ」
「えっ、本当ですか!?」
「うん、君のおかげでね...。
あと数分遅れてたら、大変なことになってたけど...。
本当に運がいい」
「...っ...」
あんなに苦しい思いをしたって、助けられなかったら結局意味が無いから。
本当によかった。
これだけが気がかりで
本当の意味でやっと火事から解放されたような気がした。


