歩夢さんが病室から出ていくのを確認したら
なんだがグダっと全身の力が緩まって、やっと生きてることへの実感が湧いてきた。
「はあー...なんか濃ゆい人生だなあ...」
ベッドから立ち上がった瞬間
ふと視界に入った頭床台の引き出しを開けた。
そこには手紙が入っていて、お母さんからだった。
"人助けもいいけど生き抜く覚悟も必要です"
「...ぷっ、お母さんらしい」
たったそれだけの文字に、どれだけの思いが込められているか。
震えて上手く書けていない文字を見れば...すぐ分かるよ、お母さん。
わたし、周りに恵まれてるなー...
お母さん、仕事ばっかりであんまり構ってくれないけど
やっぱり私の"お母さん"なんだよ。
辛い時そばにいなくても
心配してくれない日なんか1度もないよね、お母さん。
...ほんと、大好き。


