つまらない独占欲で身を滅ぼすところだった。
そんなこと歩夢さんに言ったところで、蘭君の気持ちが私に振り向くわけでもないのに。
でも...少しだけスッキリした。
蘭君に言えない分、蘭君のすぐ近くにいる歩夢さんに言うだけで、蘭君に言った気になれる。
だって歩夢さんは...辛い時の蘭君をずっと見てきてるから。
蘭君が最後まで壊れなかったのって...
どんな事があっても、歩夢さんが蘭君から離れていかなかったからだと思う。
歩夢さんは、密かに蘭君を支えてるんだよ。
「あの...歩夢さん。
私の友達、見ませんでしたか?」
「ああ、あの子なら彩羽ちゃんが目を覚ます10分前ならいたんだけど...。
学校があるからまた放課後来ますって言ってたよ」
「そっか...光花は無事なんだ」
「あの子相当彩羽ちゃんのこと心配してたよ。」
「...みつか」
「蘭が元気ないから、彩羽ちゃんに事情を聞きに学校まで行ったのに、彩羽ちゃんいないし。
何かあったのかな?と思って、たまたま校門から出てきた光花ちゃんに聞いたら彩羽ちゃんの友達で...
しかも彩羽ちゃんは入院してるって言うし。もう訳わかんないよね〜」
で...ですよねー...。
状況ごちゃごちゃしすぎて、聞いてて私も分からないもん。
「あっ...じゃあ蘭君は...?」
「ああ、蘭なら1度だけお見舞いに来てそれっきり...」
「...」
「ごめんね?蘭じゃなくて俺ばっか見舞いに来て」
「そっ!!そんなあ!!
私歩夢さん大好きだからめちゃくちゃ嬉しいですよ!!」
「わあ、病室で大胆な告白〜」
「ちょっ...!からかわないでください!!」
「あはは、やっぱり彩羽ちゃんをからかうのは面白いなー...っと。
病人相手に話が長すぎたね。
俺、先生呼んでくるから、彩羽ちゃんは横になってて」
「あっ、はい。お願いします」


