【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。








真っ暗な世界で誰かに首を絞められるている。



影を身にまとっている彼の正体が誰かは、私にも分からないけど。



すっごく幼くて
すっごく切なそうに
すっごく...辛そうな表情で、私に"生きろ"と無音で伝えてくる。




ねえ、私の首を絞めて殺そうとしてるのはそっちのくせに


なんで"生きろ"なんて言うの?



なんでそんな辛そうな顔で私を見るの。



やめてよ...


もう痛いのは嫌なの。



楽に...楽になりたい。



全部から逃げ出したいの。



本当は...空っぽだった。


ただフラリフラリと、抜け殻のように彷徨っていたネオン街でナンパされたのが悲劇の始まり。



でも、そこから衝撃的な出会いが待っていた。



つまらない人生に、刺激が加えられて
多分それは私をおかしくさせるのに十分なほどの出会いだったの。



けど、わたし。
今から死ぬから、もうそんな思い出に浸っても意味無いよね...。


ねえ、聞いてるの?


なんで急に私の首から手を離すの?


やだ、ねえ。ダメ。
殺したくなるくらい必要としてよ...。



狂気でもなんでもいいの
私の方を見て、私だけを愛してよ...ねえ。


それとも
それ以上を望むことは...罪ですか?