ねえ...本当はこんな所で一人ぼっちは嫌だよ...。
熱い
痛い
苦しい。
なにやってるんだろう私
このまま死んじゃうのかな...?
こんなことになるなら
蘭君にもっと、うざいくらい付きまとっておけばよかった。
最後の最後に好きだよって言えないなんて...。
視界がボヤーっとしてきて、絶対に煙を吸わないと抵抗していた鼻も、次第に開いていき侵入を許す。
なのに私は、こんな時でも蘭君のことを思い浮かべ口角を上げていた。
「へへっ...最後まで好きな人は、やっぱり蘭君だけだったね」
彼を最後に思って死ねるなら本望かも。
薄ら開いているしぶとい目から、光が消えていく。
「ーーーーーーッ!...っ!」
光と闇の狭間から聞こえてくる声。
その声は誰の声なの?
私?
幻聴?
それとも...。
結局その声の正体が分からないまま暗い世界に誘われ
私は意識を手放した。


