【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。





「...っ!?彩羽!!!!!!!!」



握り返していた光花の手を、糸を解くように離して
私は火の海に飛び込んだ。



後ろから聞こえてくる光花の叫び声。


写真を連写する若者のスマホの音。


絶望をただ叫ぶことでしか表現できない無力な母親。



ーーーすべてが雑音で出来ている。



私はただ...終わらせたかっただけなの。



あの日の蘭君が後悔したことを私がやれば
蘭君だって救われるかもしれないって。



結局は蘭君を助けるためにやってること。



偽善なんかじゃない。



これはあの頃の蘭君を助けたい私のワガママなんだ。