【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。






嫌でも流れていく月日。


別れがあるなら出会いもあるなんて言葉を
まさか自分に言い聞かせる日が来るなんて。



目を閉じて思い浮かぶあの人が
この瞼からいつかは消えてしまうのだろうか。



1周回って戻ってくる春のように
忘れたって私の恋もまた蘭君を見たら、一瞬で心を奪われてしまうんだろう。



じゃあやっぱり、会わない方がいいね。


会ったら、また傷ついて
好きだよって伝えても軽く流されて。


蘭君が求めてるのは私なんかじゃない


私なんかじゃーーー...。







「彩羽、ちょっと!」


光花の焦った声で、ハッと我に返る。


いけない...また蘭君のこと考えてた。


私の頭、蘭君一色すぎる。



「どうしたの光花...?」


「...っ、あ」


「...光花?」