【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。






失恋の痛みを少しでも忘れようと
学校帰りにカラオケに行って、光花と喉が枯れるまで騒いだ。



歌うのは苦手だから...あんまりカラオケは好きじゃないけど
珍しくマイクを離さない私に光花は苦笑い。



光花は私の音痴な歌を2時間も聞かされて参っていた。



「彩羽〜、あんた失恋ソング歌いすぎーっ。
そんなんだからいつまで経っても忘れられないのよ、いい加減切り替えなさい」


「だって歌詞に共感するんだもん」


「...もう一生歌ってろ」



呆れた光花を横目に、お金を払ってカラオケ店から出る。


春の終わりを告げようと、生暖かい夏風が私の頬を撫でる。


綺麗だと見上げられていた桜も、いつの間にか散って
その輝きは今じゃあ皆の踏み台にされてるんだもん。


...なんだか切ないね。