【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。





*




「あんた、毎日毎日あんなに気持ち悪いくらいニヤケてたくせに、最近元気ないじゃん」



言いながら、いちごミルクのパックにストローを付けるところから始める光花。


あれから2週間くらい経つ。


蘭君から電話がきても、メールがきても全部無視。


本当は無視なんかしたくない...会って話がしたい。


でも


失恋した女の意地ってやつ。


もうこれ以上傷つきたくないから、わざわざ傷口を広げに行くのもどうかと思う。



「あの男でしょ」


「...」


「やっぱりね。
あんたが思い悩んでる時は、決まってあの男絡みなのよ」

「...2回も振られたら傷ついて当然だよ...。
しかも告白したわけでもないのにさあ...」


「...もう次の恋でもしな。
ほら、あんた田中に告白されたんでしょ?
地味だけど良い奴じゃん、田中」


「...田中くんなら、告白された2日後にお断りしたよ」


「えっ、いつの間に!
あんたそれ早くいいなさいよ」


「今はそれどころじゃないもん。
今の私に恋愛話は禁句なんだから...」