*
「あんた、毎日毎日あんなに気持ち悪いくらいニヤケてたくせに、最近元気ないじゃん」
言いながら、いちごミルクのパックにストローを付けるところから始める光花。
あれから2週間くらい経つ。
蘭君から電話がきても、メールがきても全部無視。
本当は無視なんかしたくない...会って話がしたい。
でも
失恋した女の意地ってやつ。
もうこれ以上傷つきたくないから、わざわざ傷口を広げに行くのもどうかと思う。
「あの男でしょ」
「...」
「やっぱりね。
あんたが思い悩んでる時は、決まってあの男絡みなのよ」
「...2回も振られたら傷ついて当然だよ...。
しかも告白したわけでもないのにさあ...」
「...もう次の恋でもしな。
ほら、あんた田中に告白されたんでしょ?
地味だけど良い奴じゃん、田中」
「...田中くんなら、告白された2日後にお断りしたよ」
「えっ、いつの間に!
あんたそれ早くいいなさいよ」
「今はそれどころじゃないもん。
今の私に恋愛話は禁句なんだから...」


