田中君が私に話しかけてくるなんて珍しい。
クラスでもほとんど喋ったことないのに。
「あっ、田中くん。
どうしたの?」
「あっ、うん。
木実さん今暇?」
「...」
暇っていうか...ほんの数秒前なら、暇だったんだけど...。
チラチラと校門に目をやる私を見て、田中くんが察したように口を開いた。
「あっ、えっと!!
木実さん今彼氏とかいるの?」
「えっ!?」
急に田中君が変なこと聞くんだもん。
声が裏返ってしまった。
しかも最近振られた私にそんなことを聞くなんて
田中くん...お願いだから傷口をえぐらないで。
「い...いないよ!?
私に彼氏なんて出来たら奇跡だもん!!」
「そんなことないよ!!
木実さん可愛いし、絶対彼氏いると思ってたもん!!
でもいないなら俺と付き合ってほしい...な...」
「...」
おいおい田中くん。
急に顔を赤らめるのやめてよ。
しかも勢いで告白するなんて...こっちまで変に顔が赤くなってきちゃった。
「田中く...っ」
「あっ、返事聞くの怖いから今は言わないで!
...俺に少しでも望みがあるなら、その。
付き合ってほしい」
「...っ!」
「じゃあ!考えておいてね!!」
「あっ...!」


