「蘭君だ...」
もうすぐ夏なのに学ランを着ている蘭君は
周りの女子生徒の声を遮るように、シャカシャカと音漏れしてるイヤホンを耳につけて、校門にもたれかかりながら腕を組んでいた。
なんで蘭君が私の学校に...
まさか、まさか、まさか。
私のこと待ってるの...?
えっ、そんな恋人みたいなこと。
「...っ...」
どこまで私を期待させれば気が済むの...蘭君のバカ。
「らっ...」
「あのっ!木実さん!」
「ーーーっ!?」
蘭君に声を掛けようとしたら
タイミング悪く、誰かに後ろから苗字を呼ばれた。
すぐそこに蘭君がいるのに、一体誰よ!!
少しだけひねくれた心を表情に出して後ろを振り返ると。
立っていたのは、同じクラスの田中君だった。


